Dodo — the cat-shaped sleep assistant and its companion app

Design · Engineering

2026

Compris!

外国語の授業も会議も「困った」を「わかった!」に。話したそばから字幕と翻訳を出し、授業中にAIに聞け、授業のあとはノート・単語帳・クイズで身につけるWindowsアプリ。

UIデザイン

Electron

React / TypeScript

Node.js

AI API

販売・運営

役割

企画・UIデザイン・開発・LP制作・販売まで、すべて個人で担当

期間

企画から3週間で販売開始(現在アーリーアダプターに対してユーザーテスト中)

形態

Windowsアプリ(買い切り)+利用者自身のAI APIキーで動く仕組み

背景と課題・仮説

フランスに留学して、授業のフランス語の速さについていけなかった。「授業を聞きながら、その場で字幕と訳が見られたら」と、授業中に思い立って作り始めた。

既存のサービスには3つの課題があった。高い:文字起こしは年2〜3万円のサブスクで、リアルタイム翻訳は上位プランのみ。データが手元にない:録音はサービスのクラウドに保存され、見返す・書き出すにも課金が続く。聞くだけで終わる:会議向けの汎用ツールが中心で、授業を理解して覚えるところまでは助けてくれない。

想定したユーザーは、講義のスピードについていけない・試験に出るところを聞き逃したくない、海外の大学で学ぶ留学生。

仮説:「聞く→わかる→覚える」を1つの授業から完結でき、安く、データが自分の手元に残るアプリなら、留学生の授業の理解を支えられるのではないか。

役割とコンセプト

個人プロジェクト。企画・UIデザイン・開発・LP制作・価格設定・法務表記・配布・サポートまで、すべてを一人で担当し、3つのコンセプトを決めた。

聞く → わかる → 覚える

字幕で「聞く」だけでなく、AIへの質問で「わかる」、単語帳とクイズで「覚える」まで、1つの授業から。

買い切り+自分のAIキー

アプリは買い切り。AIの料金は使った分だけ利用者が直接払う。無料枠があり、週7〜8時間なら1年目はほぼ無料。

データは自分のPCに

録音・文字起こし・ノートはPCの中だけに保存。運営者のサーバーには何も置かない。

AI(Claude Code)と一緒に作ることで試作の速さが段違いになった。一方で、何を作るかを決め、どう指示するかが肝になった。

プロセス

授業中に思い立ってから、約3週間で販売へ

1週目:原理検証と試作開発

授業中に「自分で作れないか」と思い立ち、その日の夕方にリアルタイム文字起こし・翻訳・要約が動く最初の版をClaude Codeと共に作成。夜までに質問・AIノート・単語帳を追加した。その後、設定画面・多言語の画面・Windowsアプリ化を行い、実際の授業で見つけた問題を直して試作版として固定。

2週目:製品版として作り直し、実際の授業でテストしながら機能追加

試作で分かったことをもとに、使いやすいUIのためにワイヤフレームを作成してUI構造を一新。Inkscapeでロゴを作り、デザインツールStitchを使ってデザインシステムを作成した。新しいUIはTypeScriptで作り直し、実際の授業でテストしながら、PDFの書き出し、ノートの編集と写真、マイクの「小さい声も拾う」モード、Geminiが混雑時にモデルを自動で切り替える機能などを追加。自動アップデートと、GitHub Actionsを使った自動テストの仕組みも実装した。

競合調査

ロゴ案のスケッチと完成したロゴ

ストーリーボード

Stitchで作ったデザインシステム(3つのテーマ)

3週目:LPの作成と決済機能の追加

7日間の無料体験とライセンスキー発行をPolar.shで実装。名前をCompris!(フランス語で「わかった!」)に決め、Claude DesignでLPを作成し、Cloudflare Pages+GitHubの構成で公開。独自ドメインも購入した。

筐体検討・プロトタイピング

LP(comprisapp.com)

現在

Hacker NewsやProduct Huntでのプロダクトローンチを準備中。TikTokやInstagram向けのマーケティング動画も制作中。

アプリでできること

1つの授業で、ここまでできる。Electronアプリの中で動く小さなサーバーでPC内に完結し、音声認識(Deepgram)と翻訳・AI(Gemini / Claude / DeepL / Google翻訳)を利用者のキーで直接呼ぶ。

ソリューション概要

録音の画面。左に授業の原文と訳、右にAIが作った授業ノート

聞く

先生が話すそばから原文と訳が流れる。7言語のどの組み合わせでも訳せ、Zoom・Teams・YouTubeなどPCの音もそのまま字幕にできる。

わかる

授業を止めずに「さっきのはどういう意味?」とAIに聞け、根拠の時刻つきで答える。録音を止めると、見出し・要点・試験の話が入った授業ノートができる。

覚える

覚える価値のある語が先生の実際の声つきで単語帳に入り(Ankiにも書き出せる)、復習クイズや試験前のまとめ復習ノートも作れる。

結果と影響

約3週間で販売開始

最初のコードから3週間後の2026年10月12日に販売開始。4言語のLP、7日間の無料体験、ライセンスキー、利用規約などの法務表記まで整えた。

学生に届く価格

早期割引2,500円 / €15 / $20の買い切り+AIの使った分。翻訳つき文字起こしのサブスク(約2.5万円/年)と比べて大きく抑えた。

自分の授業で毎日使いながら直しており、現在はアーリーアダプターに対してユーザーテストを行っている。

学び・今後

自分が毎日使うのが一番のテスト。困ったことがそのまま次の改善点になった。

AIと一緒に作ることで試作の速さが段違いになった一方、何を作るかを決める指示の出し方が肝になる。また、価格・法務・LP・配布・サポートまで含めて「製品」になる。

今後は、APIキーなしで試せる「見本の授業」の追加、コード署名、音声認識のコストを下げる別サービスの検討に取り組む。